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美篶堂×いのちの木「本づくり学校」応用科4期が始まりました。

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2017年5月20日、横浜の「いのちの木」で本づくり学校応用科4期の授業が始まりました。
応用科4期生は、基礎科4期の卒業生に加え、基礎科2期の卒業生なども参加します。
最初のテーマは文庫本の改装です。
自分で選んだ布を表紙にして、2冊の文庫本を上製本に仕立てます。
文庫本の改装は、本を修理する際の基礎的な技術の習得にもつながっています。
文庫本の改装では、本文をそのまま利用するため、背固めの工程は不要ですが、ひとりひとり本のサイズが異なるため、それぞれが材料を切り出す必要があります。
寸法を測って、板ボールを切り出していく作業は、意外に手間と時間がかかるものなのです。

blog_20170520-1文庫本のそれぞれの部位の寸法を測り、シートに記入していきます。測り間違い、記入間違い、計算間違い。ミスがないように慎重に作業していきます。

blog_20170520-2切断面が板ボールの平らな面と直角になるように、慎重にカッターの刃を進めていきます。

表紙に使う板ボールにも、『紙の目』があります。本文用紙と同じように、板ボールも『縦目』になるように、切っていきます。
応用科になると、自分のやりたいことが少しずつ見えてくるようになります。
今回の授業では予定していなかった『窓あき表紙』と『合本』にチャレンジする人もいました。

blog_20170520-3題箋を貼り付けて、完成です。お気に入りの布を表紙にすることで、自分だけの特別な文庫本になります。

手製本ではさまざまな道具を使いますが、応用科になると自分の道具も増えていきます。
授業では、全員が同じ道具を同じタイミングで使うので、自分の道具に目印をつけている人は少なくありません。

blog_20170520-4上島親方の「コツ」という名前の木製の製本道具には、「上島」としっかり名前が彫り込まれていました。本づくり協会会報誌(1号)に写真が掲載されています。

道具が増えていくのも、「ものづくり」の楽しみのひとつと言えるのかもしれません。

文・写真:本づくり協会サポートスタッフ(R2)