本づくり協会

本づくり学校基礎科5期

Posted on 2017-05-14
美篶堂×いのちの木「本づくり学校」基礎科5期の2回目の授業は「こうき綴じ」です。

 

2817年4月22日、横浜の「いのちの木」で本づくり学校基礎科5期の2回目の授業が行われました。

授業に先立ち、上島先生にはサプライズで花束が贈られました。

これは、先日、日本タイポグラフィ協会の「第16回 佐藤敬之輔賞」を、美篶堂が受賞したことのお祝いです。

 

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応用科2期生を代表して石黒さんから、上島先生に花束が贈られました。

 

◆特定非営利活動法人(NPO) 日本タイポグラフィ協会◆

http://www.typography.or.jp/index.html

 

2回目の授業のテーマは「こうき綴じ」という、和装本の技法の一つです。

「四つ目綴じ」とつくり方は似ていますが、装飾性のあるかがり方が特徴です。

和紙を一枚一枚折っていくときには「折ヘラ」と呼ばれる道具を使います。

折りヘラの材料になるような太い竹は、近年、数が減っていて、竹細工の職人も入手するのが難しくなってきたそうです。

 

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折りヘラの持ち方や角度、動かし方など、たくさんのチェックポイントがあります。

 

すべての本文用紙を折ったあとは、「水引き」や「水寄せ」と呼ばれるプレスの工程です。

この技法は和装本独特のものだそうです。

和紙を水で濡らすことで、大きな力をかけることなく、しっかりと折り目をつけることができるようになります。

本文は、最後に「こより」で仮綴じして、完成させます。「こより」は漢字では、「紙縒り:紙を縒<よ>る」と書きます。

実はこの「こより」をつくるところが、多くの生徒さんが苦戦するところです。

 

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しっかりと固く縒られた「こより」

 

本文の仮綴じの次は、いよいよ「表紙かけ」「糸かがり」と工程が進みます。

「こうき綴じ」は「四つ目綴じ」よりも綴じ穴が2つ多く、6つの綴じ穴に順番に糸を通していきます。

少しだけ複雑な綴じ方ですが、落ち着いてやれば大丈夫!

 

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完成した「こうき綴じ」の本。端材でつくった「しおり」は、家でお留守番をしているお子さまへのお土産にするそうです。

 

「こうき綴じ」は「康煕綴じ」や「高貴綴じ」とも書き、大型の和装本などに用いられる技法です。

家系図や芳名帳、大切な作品集などにも使ってみたいですね。

 

文・写真:本づくり協会サポートスタッフ(R2)

 

 

Posted on 2017-05-02
美篶堂×いのちの木「本づくり学校」基礎科5期が始まりました!

2817年4月8日(土)、横浜の「いのちの木」で本づくり学校基礎科5期の最初の授業を行いました。
1年間、本づくりを一緒に学ぶ仲間には、栃木や福島、新潟から通う人もいます。
また、今期はブラジル出身の方も受講しています。日本の製本技術に興味があり、来日した際には、ぜひ学んでみたかったそうです。
まずは、オリエンテーションで1年間の授業の概要が上島先生より説明されます。
夏の製本合宿のこと、卒業作品となる絵本製本のことなど、期待と不安がふくらみます。

オリエンテーションの後は、さっそく実習です。
初日のテーマはA4サイズの「カルトン」です。
カルトンはデッサンやクロッキーをする際に画板として使われることもありますが、授業では2枚一組の「紙ばさみ」として使えるカルトンをつくります。
ちなみに「カルトン」の名前はフランス語の「carton(厚紙)」に由来するそうです。
美術に関わる方にはおなじみですが、自分で作ったことのある人は少ないのではないでしょうか。
表紙には製本用の布クロスを使いますが、その大きさはA3サイズよりも大きなサイズです。
広い面積に均一に糊を塗るのは難しいのですが、最初の授業でチャレンジすることには意味があります。
実は、基礎科の最後の授業は「コーネル装」の予定ですが、そのサイズもA4サイズです。
1年間の修行の成果を自分自身で確認して欲しいという思いが込められているのです。

 
blog_20170408-1講師の手元を間近で見るために、講師を取り囲むようにして生徒が集まる光景は、これからの授業でも繰り返される光景です。

 
blog_20170408-2講師の紙の扱い方、刷毛の動かし方に注目することが重要です。

 
最初から講師と同じように道具を使うことはできません。
しかし、何度も繰り返し練習していくうちに、基本の動作が皮膚感覚として身についていくのです。
慣れない作業ながらも、最後は全員、無事に完成することができました。

 
blog_20170408-3できあがったA4サイズの「カルトン」

さまざまな製本の技法を学んだり、材料を選んだり、絵本づくりのテーマに悩んだりの1年が始まりました。

文・写真:本づくり協会サポートスタッフ(R2)

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