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ブックカーニバル in kamakura 2017

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6月10日土曜日。梅雨入りした、先日までのどんよりした空模様はどこへやら。
朝起きて、空を眺めると雲ひとつない快晴。窓から差し込む、東の空に昇る朝日からの心地よい光が、寝起きに飲むコーヒーに入っているカフェインのように眠気を覚ましてくれます。

この日は休日だけどちょっぴり早起き。7時52分発の電車に乗らなくてはなりませんでした。
向かう先は、「いざ、鎌倉」。ブックカーニバル in kamakura 2017が開催せれており、本づくり協会も参加。第4会場鎌倉市中央図書館にて、三ツ目綴じノートの本づくりワークショップを行いました。

本づくり協会はハードカバー/ソフトカバー、2種類のノート製本ワークショップを実施し、事前予約が必要だった1日3回開催するハードカバー版ワークショップは各回6名、合計18名見事に枠が埋まる人気ぶり。予約なしでも製本体験ができるよう手配したソフトカバー版のワークショップも、開始10時から終わりの16時まで絶えず来場者に受講していただき、ワークショップの存在を知らなかった人も「受けてみようかな?」とその場で受講を決めてくださる方がたくさんおられました。

ブックカーニバル in kamakura 2017 ワークショップ風景
ワークショップ風景

ハードカバー、ソフトカバーどちらのワークショップも本づくり学校や本づくりカフェと同様、老若男女問わない人々に受けていただき、ハードカバーのワークショップには小学生の女の子も1名。完成品の見本を女の子に手渡し、どの紙が完成品のどの部分になるのか説明してあげると、50色以上ある色の組み合わせの中から、「こっちの色にしようかな?白が良い。赤よりも青の方が良い。」なんて会話をお母さんとしながら、10分ぐらいかけて材料選びに励んでいました。

三ツ目綴じノート材料
ノートの材料。受講者に自由に紙の色を組み合わせてもらいました

本づくり協会が開いているワークショップの横にはツバメ活版堂のブースがあり、こちらも10:30、12:30、14:30と3回開催した活版印刷のデモンストレーションには毎回多くの方が見学に訪れていました。ハードカバーのワークショップを受けていただいた方には、ツバメ活版堂から活版印刷機「Adana」を使った活版印刷体験をさせていただき、「Kamakura Book Carnival 2017」と自分たちで刷ったラベルを持って帰ってもらいました。

ツバメ活版堂のグリーティングカード組版
ツバメ活版堂のグリーティングカード組版展示

同会場には午後から「珈琲野郎」という鎌倉市内で活躍するボランティア団体?も合流。来場者に珈琲を提供してくれました。ちなみに珈琲一杯の値段は「お気持ち(100円程度)。」ぼくは100円玉1枚と、行きの切符を買った時にできた10円玉のお釣り4~5枚を募金箱みたいな箱に入れておきました。

残念ながら他のブックカーニバル会場を見学・楽しむ時間はなかったのですが、メイン会場である由比ヶ浜公会堂から少し離れた鎌倉市中央図書館にもたくさんの方が立ち寄ってくれたので、きっとメイン会場はもっと人気があったんだろうと想像します。鎌倉ということで、ブックカーニバルが目当てで来てない観光客も当日はたくさん現地にいたと思いますが、そういう人たちにとって今回のカーニバルが、本に対する関心を抱く良い機会になってくれたら幸せですね。

デジタル技術の進化を遂げた現代社会には、どことなく、有名な書物に限らない本全体としての文化遺産的価値観が芽生え始めているように感じます。かくいうぼくも、この記事はインターネットというデジタル技術を通して執筆・公開しています——原稿もPCに直接打ち込んでいる——が、そのような価値観が持てるのは、デジタル技術の発展があったおかげかもしれません。

「一体なんで今更本なんだろう?本にできることって何だろう?」そんなことを考えながらこれからも本づくりを続けていきたいと思います。

鎌倉市中央図書館3階からの眺め
鎌倉市中央図書館3階からの眺め(鶴ヶ丘八幡宮方面)

文・写真: 本づくり協会会員(Zac Fukuda)